【第5話|審査が早いとき・遅いときに、相談者が取るべき具体的な行動】
“時間の長さ”に振り回されず、勝てる動きを選ぶために
ここまでの4話で、住宅ローン審査の「時間」と「結果」の関係、 そして審査部の裏側で何が起きているかを見てきました。
最終回となる第5話では、 実際に審査が早かったケースと審査が長引いているケースで、 相談者が何をすべきか・何をしてはいけないかを具体的に整理します。
ポイントは、「感情」ではなく「審査部目線」で動くこと。 同じ状況でも、動き方ひとつでこの先10〜35年の結果が変わることもあります。
① 審査結果が“早く否決”だった場合の正しい動き方
1〜2日、あるいは数営業日で否決の連絡が来たとき、 多くの方はショックから「とにかく別の銀行へ!」と動きがちです。
しかし、ここで闇雲に申込みを重ねると、 信用情報上は「短期間に複数申込みをしている人」として映り、 いわゆる申込みブラックに近づいてしまいます。
早く否決になったときこそ、次の順番で冷静に整理することが重要です。
- 否決の理由について、住宅会社や銀行担当者からヒントを聞き出す
- 個人信用情報(CICなど)を取り寄せ、事実と照合する
- 借入状況・勤続年数・年収など、“基準から外れている箇所”を特定する
ここまで整理したうえで、 「同じ条件では、どの銀行に出しても厳しいのか」 それとも 「銀行の選び方と出し方を変えれば、まだ勝負できるのか」 を判断していく必要があります。
早く否決=「終わり」ではなく、「分析スタート」の合図
福山住宅ローン審査対策相談室では、否決直後のタイミングで、 個人信用情報・借入一覧・家計を整理し、「本当の原因」を一緒に洗い出します。 そのうえで、再チャレンジすべきか・まず立て直しに専念すべきかを率直にお伝えします。
② 審査結果が“早く可決”だった場合に気をつけること
早く可決が出ると、多くの方は安心してしまいますが、 実はここにも見落としがちな落とし穴があります。
- 「他の銀行なら、もっと良い条件が出たかもしれない」
- 「おまとめの組み方次第で、もっと家計がラクになったかもしれない」
- 「金利だけで決めてしまい、団信や保障内容を比較していない」
早く通った案件ほど、「その銀行にとっては貸しやすいお客様」である可能性が高く、 だからこそ条件交渉の余地があるケースも少なくありません。
可決が出たあとは、次の点を一度チェックしてみてください。
- 金利タイプ(固定・変動)と、将来の上昇リスクを理解しているか
- 団信・疾病保障の内容が、家族構成に合っているか
- おまとめ住宅ローンの場合、借金の整理順番が本当に最適か
「通ったから、とにかく急いで契約」ではなく、 35年間付き合う条件として本当に納得できるかを、 第三者の目線で確認しておくことをおすすめします。
③ 審査が“長引いている”ときに絶対してはいけない行動
審査が長引いて不安になると、人はどうしても 「気持ちを落ち着かせるための行動」を取りがちです。 しかし、その一部は審査にとって致命的なマイナスになります。
代表的なNG行動は、次の3つです。
- 結果が出る前に、他の銀行に同時申込みをする
- ストレスからカード払いやキャッシングを増やしてしまう
- 携帯料金・クレジット・ローンの引き落としをうっかり遅らせる
これらはすべて、審査部から見ると 「家計管理が不安定」 あるいは 「今まさに資金繰りが厳しい」 という強いマイナスシグナルになります。
審査が長引いているときこそ、 通帳の動き・支払い状況をいつも以上にクリーンに保つことが重要です。
④ 審査が“長引いている”ときに、積極的にやるべきこと
ただ不安に耐えながら待つのではなく、 次のような「攻めの準備」をしておくと、 ギリギリ案件で可決側に傾く可能性が上がります。
- 通帳・給与明細・借入一覧を整理し、家計の全体像を紙に書き出す
- カードローンやリボの「今後の整理方針(解約・繰上返済など)」を決める
- 住宅ローン相談の専門家に、審査部が気にしそうなポイントを予測してもらう
- 必要に応じて、銀行に提出する補足説明書や家計の説明資料を用意する
審査部も、「何とか返していきたいという意思が見える案件」には、 同じギリギリでも前向きに検討しようとします。 その“意思”を形にするのが、上のような準備です。
待っている時間を「不安の時間」から「準備の時間」に変える
福山住宅ローン審査対策相談室では、 審査待ちのタイミングで通帳・借入・家計を一緒に点検し、 「いま出せる最善の情報」を整理するお手伝いをしています。
何もせずに結果を待つのではなく、結果が出る前から勝負を始めるイメージで、 一歩踏み出してみてください。
⑤ 「時間」ではなく“自分の状態”を基準に動けるかが勝負を分ける
住宅ローン審査の世界では、 「時間がかかった・早かった」という事実そのものには、実はそこまで意味がありません。
本当に大事なのは、次の2点です。
- いま自分は、審査部からどう見えているのか(属性・借入・家計)
- その評価を変えるために、どんな準備と説明ができるのか
ここを理解せずに、「早かった/遅かった」という表面だけを見て一喜一憂してしまうと、 本来通せたはずの審査を自分で難しくしてしまうこともあります。
逆に言えば、審査が厳しくなっている今の時代でも、 審査部の視点を踏まえて動ける人は、まだ十分にチャンスがあります。

